中国語表現法研究  和文中訳

第三十七回〜第四十八回


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第三十七、三十八回

前世紀の90年代に、アメリカの経済学者ブラウン氏はかつて世界に向かって疑 問を投げかけた:「21世紀には誰が中国を養うのか?」と。 世界的な不安と困惑に対して、「ハイブリッド水稲の父」、アカデミー会員の袁 隆平氏の出した答えは明確そのものだった―即ち、中国人は科学技術の進歩と全 員の協同努力によって、自分たちを養うことができるだけでなく、発展途上国の 食料不足問題の解決にも寄与することができると。


十数年経った今日、ブラウン氏の予言した中国の食料の安全(保障)の危機は発 生していないばかりか、中国の農業科学技術従事者が選定・育成したハイブリッ ド水稲は世界中二十余りの国と地域に普及している。 袁隆平氏が頭脳と行動によって、中国の科学技術研究グループを率いて発明し たハイブリッド水稲技術は、、世界の7%の耕地で、世界の22%の人口をまかなって きた;独創的なハイブリッド稲の技術は、今やアジア、アフリカ、ラテンアメリ カなどで順調に生育して、世界の食料安全(保障)の問題を解決し、農民の所得 を増大させる「救世主」となった



第三十九、四十回

国際化が中国の大学にもたらす三つのチャレンジ 先ず、国際化の大学運営上の伝統と特色に対する影響である。国際化は決して世 界中の大学が一つのモデルになることを意味するわけではないが、現在こうした 危険は確かに存在する。大学の国際化により経済学、経営学、医学、工学、科学 などのいくつかの学科分野では、統一された全世界基準のカリキュラムが出来上 がっている。ある意味では、このカリキュラムは既に各国間の政治、経済、文化 及び教育制度などの面での差異を超越しているが、大学の特色に影響を及ぼすこ とになるのだろうか?


次に、大学の国際化の結果の一つに、大学と社会との相互関係が一層緊密化した ことがある。各大学では、法学、工学及びその他の応用系の学科は急速に発展し ているが、一方で伝統的な学科は厳しいチャレンジを受けている。たとえば、文 学、史学、哲学などの基礎学科を専攻することは、とりもなおさず、赤貧と孤独 を意味することにもなりかねないからである。市場化の趨勢は大学の伝統と使命 に対するチャレンジである:我々は学術の独立、自由及び尊厳を堅持できるのだ ろうか?


第四十一、二回(狂人日記)

最も解せないのは、昨日町で出会ったあの女だ。自分のせがれを殴って、口では 「畜生、私としたことが!噛み付いてやらんことには気がすまないよ」と言いな がら、そのくせ眼は私を見据えていた。私はびっくりして、驚きを隠しえなかっ た。あの青い顔をして歯をむき出した奴らが皆どっと笑い出した。陳老五が急い でやってきて、私を無理やり家に中へ引きずって帰った。

私を引きずって家に帰ったものの、家のものは皆私を見知らぬように振舞った。 彼らの表情も他の連中と全く同じだった。私が書斎に入ると、まるで鶏かアヒル でも閉じ込めるかのように、外からかぎをかけた。このことで私はからくりが益 々分からなくなった。


第四十三、四回

1849年、アメリカのカリフォルニア州で、広い範囲にわたって金が発見された。このニュースが伝わると、大勢の砂金採りが世界各地からどしどしと押し寄せてきて、一大ラッシュとなった。その中で、リバイ シュトラウスというドイツ人がやってきた。彼の目的は砂金を採ることではなく、砂金採りに帆布を売ることだった。この生地は丈夫で長持ちしたので、テントにしたり、馬車の幌を作るのに向いていた。

ある日、リーバイが鉱夫と雑談をしていた時、偶然作業服の話になった。鉱夫が言うには、鉱内で働いていると服が直ぐに擦り切れてしまうので、ここの作業員は、皆何度も洗濯ができて長持ちのする作業着を欲しがっているが、どうしても手に入らないとのこと。鉱夫の話を聞いて、リーバイはとっさにいい考えが浮かんだ。自分が売っている帆布でズボンを作ってはどうだろうと。これが今日世界中で大流行のジーンズの起源です。


第四十五、六回

現在、都市と農村の間、異なる地域の間、そして異なる階層の間で,所得格差が拡大している。これは紛れも無い事実である。所得格差拡大の問題を解決・緩和するため、中共中央と国務院は既に一連の措置を講じてきた。例えば,都市と農村の所得格差を縮小するため「三農」に対する支援に大いに注力した。西部地区と東部地区の格差を縮小するため,西部大開発戦略を実施した。低所得の困窮集団の生産と生活問題を解決するため,都市と農村の最低生活保障制度を作り上げると同時に,最低賃金制度を実施した。過大所得を調整するため,所得税の徴収に大いに注力した。去年一年で2,400億元余りを徴収したが,これは2,000年の3.7倍に当たる。

しかし、この問題を本当に緩和・解決するには更に長年にわたる努力が必要である。第一に,発展に頼る必要がある。適正且つ迅速な発展を実現し,国民経済のパイを大きくしなければならない。大きくできないと,適切に分配することはできない。第二に,改革に頼る必要がある。所得分配体制を含む諸々の改革を深化させなければならない。その中で最も重要な事は,一つには,労働に応じた分配を主とし、種々の分配方式が併存する分配制度を整えること、二つには,機会も、ルールも、プロセスも平等なメカニズムを創造することである。第三に, 調節に頼る必要がある。低所得を引き上げ,中所得を拡大し,高所得を調節し,合法的な所得を保護し,不法な所得を取り締らければならない。


第四十七、八回(吶喊 自序)

私にも若い頃には夢が沢山あった。後になって、大方忘れてしまったが、自分としては別に惜しいとも思わない。回想というものは人を楽しませるものだが、時には寂しくさせることも避け得ない。過ぎ去った寂寞の日々を、いつまでも精神の糸に繋ぎ止めさせておいたところで何になろう。だけど私は、寧ろすっかり忘れられないので苦しんでいるのだ。その忘れきれない一部分が今になって「吶喊」となった次第である。

ただ自分自身の寂寞だけは、私にとって苦痛が大きすぎるので取り除かないわけには行かなかった。そこで私は様々な方法で魂を麻痺させて、自分を国民の中に埋没させ、古代に回帰させた。その後、もっと寂しい、もっと悲しい事を色々体験したり、傍観したりしたが、どれも思い出したくないし、それらを脳と一緒に泥の中に消滅させたいと思うことばかりである。だが、私の麻酔法も既に巧を奏したと見えて、青年時代のように慷慨激昂する気持ちはもはやなくなってしまった。