中国語表現法研究  和文中訳

第十三回〜第二十四回


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第十三、四回

偽の卒業証書には「正真正銘の偽証書」と、不正なルートで手に入れた「本物の証書」と二種類がある。前者は不法な偽証書造り業者から金で買って来たものである。後者は合法的な手続きを経て取得したもので、某大学の名前を浮き彫りにしたスタンプが押してあり、学長の署名もある正規の卒業証書である。

一部の「修士」や「博士」号を持っている 幹部連中は、自分の昇進のため、管轄 する部門に学費を出させ、勉学に勤し むわけでもなく、人に論文を書いて貰っ たり、替え玉受験をしてもらって、いとも たやすく卒業証書を手に入れている。 このような証書では、本当の学識や学 歴を証明出来るはずがない。


第十五、六回

映画、テレビ、ワールドカップ サッカーゲーム、オリンピック等に代表される 娯楽・文化産業は、今や現代世界経済の中で堂々たる大黒柱になった。 グローバルなスケールで、最も凄まじい勢いで発展している新興産業の一つとし て、文化産業の成長速度は既にグローバルな経済全体の発展速度を遥かに凌駕し ており、二十一世紀のゴールデン産業と言われている。


我が国の経済は急速な発展を遂げているものの、文化面での実力は経済の実力に 比べて、まだ甚だしくバランスを欠いています。我々は「チャングムの誓い」、 「ちび丸子ちゃん」やデイズニーに対抗できる文化製品を、まだ送りだしていま せん。

世界に通用する「メード・イン・チャイナ」は未だに生まれてきていない のです。 我が国の文化産業は依然として、従来型の公演、映画・テレビ、広告業等が主体 で、先進国で既に広く展開されている創作デザイン、アニメ・マンガ、オンライ ンゲーム業等のデジタル産業は、我が国ではまだ離陸したばかりです。

我が国の文化産業は技術開発能力がまだ不十分で、技術の支持基盤のレベルが比 較的低く、国際分業の産業連鎖の中で占める地位も中低位に留まっています。


第十七、八回(故郷)

私は希望なるものに思い至り、ふと不安になってきた。ルントウが香炉や燭台 を欲しがったとき、私は心の中で笑ったのだった。あいつは相変わらず偶像を崇 拝していて、 一時も忘れられないのだと思ってのことだった。 今、私の希望なるものも自分で創りあげた偶像ではないのか? ただ、あいつの願いは身近で、私の願いは遥か彼方に漠然としているだけなのだ 。

ボーっとしていると、目の前一面に浜辺の緑の砂地が開けてきた。上には濃い藍 色の空に一輪の黄金色の満月がかかっている。 私は思った:希望というものは本来、在るともいえないし,ないともいえないも のだ。 丁度、地面の上の路のようなものなのだ。事実、地面にはもともと路はなかった のだが、歩く人が多くなると路になるのだ。


第十九、二十回

合格ラインの低い西部の省や自治区で大学入学試験を受けると、 合格ラインが高い地区に比べて合格しやすい。 このため、地区外の受験生の中には、何とかしてこれらの地区に 戸籍を移そうとする者もいる。 地方の教育部門の一部の職員たちは、往々にして地元の大学 進学率を向上させるためや、情実などが原因で、受験生の「移民」 に対して、大方黙認の態度をとっている。

近年、こうした現象は益々激しくなり、なんと他省の受験生のために専ら戸籍や 学籍の手続きを代行して暴利をむさぼる「学生募集ブローカー」まで出てくる始 末で、大学の入試による学生募集の秩序を乱すこと甚だしく、地元の受験生の利 益を侵害し、社会的悪影響をもたらした。


第二十一、二回

ハイテック関連企業のインキュベーター は一種独特の仲介機構で、ハイテック 型小企業の育成、起業家人材の養成、 及びハイテック成果の(ビジネスへの)転 用を目的とし、起業家のためにオフィス スペース、ビジネスコンサルテング、情報な どの公共サービスを提供しています。

留学者創業園の目的は、留学者が帰国して事業を起こすために良いインキュベー タ環境を作り、彼らが帰国してハイテク企業を創立するのを奨励し、また 海外の先進技術や管理ノウハウと国内資源とを有効に融和させて、国際競争力の あるハイテク企業と万能型の企業家を育てることによって、ハイテク産業 の発展に寄与することである。


第二十三、四回(一件小事)

私が田舎から北京に来てから、あっという間にもう六年がたってしまった。 その間、見聞きした所謂国家的な大事件なるものは、数えあげればいくつもある が、いずれも私の心に何らの痕跡も残してはいない。もしそれらの事件の影響を 探し出せと言われば、単に私の悪い癖をつのらせただけである−ー正直なところ 、日増しに人を見下すようにさせられたのです。


私はその時、ある種の異様な感覚に とらわれた。彼のからだ中埃まみれの 後姿が一瞬大きくなり、しかも離れて行 けば行くほど大きくなって、仰ぎ見なけ れば見られないように感じた。 しかも、彼は私にとって更に、だんだん威圧 的なものに変わり、ついには皮袍の下に 隠されている「けちな根性」をえぐりださん とするようであった。


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