第201回    2014年11月

東京築地市場の競り現場は、生活のにおいに満ちあふれ、風習の特色や文化的体験の価値がある観光資源で、外国人観光客に人気がある。しかし、見学が競りに支障をきたすようになり、築地市場では、2008年と2009年の二度の年末に、一時的に旅行客の見学を中止して、「観光立国」を推進する日本国内で論争を巻き起こした。

第202回     2014年11月

ぶつかり合いや衝突に直面し、日本社会はどのように対応をすればいいのか。数年前、学者藤原正彦氏が著した「国家の品格」という本がベストセラーになった。グローバル化の挑戦に直面して、藤原氏は、「日本が国家の品格を捜し求めることについて、理論よりももっと大事なことは情緒である、英語より大事なものは国語である、民主主義より大事なのは武士道精神である」と述べている。


第203回     2014年12月

 私は1988年3月4日から1989年4月5日までの間、続けては止め、書いては止め、一年あまりの時間をかけて、此の本の草稿を書き終えた。 今年の春になると、忽然として血潮がたぎり、これを上梓する気になった。そして6月3日まで約3ケ月をかけて定稿を練り上げた。草稿と定稿は大きく違ったものとなり、ほとんど再度書き直したに等しい。

第204回     2014年12月

 私は本来一つの原則を自らに課している。それは物を書くに際しては、言葉に刺を含ませず、怒りに任せることなく、すべて事実に基づいて客観的に叙述することである。しかし、私とて感情を持った生身の人間である。本書を書きすすめるうちに、怒りがこみ上げ、涙がこぼれることを禁じ得なかった。刺も怒りも二つながらに出てきてしまう。

第205回     2015年01月
 どうにもしようがないのだ。このままにしよう。さもなくば嘘をつくことになってしまう。定稿と草稿の最大の違いは、この刺と怒りが幾分少なくなったことである。本来これは私の本意ではないのだが、事を穏便に済ませるためには、こうせざるを得なかったのだ。

第206回     2015年01月
 発刊にあたっての祝辞
これは自らの血と涙でもって書かれた本である。
今こうして生きながらえ、この本を書き記すことができたのは わが人生最大の喜びであり、
後世に私が残すことのできる最良の贈り物である。
この本が私の祝福とともに 皆様のもとへ届かんことを!!

207回     201502

 沸きかえるような勢いで沸いた、西安「医師たちの手術室での自撮り騒ぎ」は、関係者の免職、懲戒でひとまず収束したが、事件は終わった訳ではない。その後の報道で、医師は当時7時間も飲まず食わずの奮闘で患者の左足を守ったことが明らかになった。

手術後、医師らはこの「成功の瞬間」を記録し、手術室移転の記念にしようとした。

208回     201502

 撮影も患者の同意を得たものだった。こうした事実が明らかになると、少なからずの投稿者は、それまでの質疑批判から医療従事者に代わって不平を鳴らす態度へと変った。

こうした「ストーリーの転回」は全く意表を突くものだった。「この世界の変化が速すぎるのだ」という解釈はあてはまらない。真相にもとより変化はなく、ただ事件についての認識が皮相的なものから深化し、非理性的なものから理性的になっただけである。

第209回                     2015年04月

都心部のある病院に、新しい外来棟が開設され、多くのサービスがデジタル化、IT化した。ひっきりなしに表示が変わる電子掲示板には、どこの窓口で並んだらいいか、どの棟のどの階で診察をするかなどが書かれており、非常に喜ばれている。しかし、70歳くらいのある老夫婦は、電子掲示板がきちんっと読めず、窓口を間違えて職員に怒鳴られた。夫婦は、「まだ診察前だけれど、失望した」と言う。

第210回                     2015年04月

デジタルサービス設備の普及によって大勢の人たちは便利になったし、最新型サービスのレベルが高くなった。しかし、一部のお年寄りや、非識字者、パソコンができない者、視力が良くない者は、その便利さを享受できないばかりか、不便となっているであろう。

このような人々は、数は多くはないが、一番注意を払わなければならない 困っている人々と言える。

211回     2015年05月

 社会サービス機関、特に行政窓口部門は、情報化の列車に乗る際には、最も根幹となる、“人性化”(人への思いやりと機能性を持った)サービスを忘れないでほしいし、さらに、こうした流れへの適応が難しい「乗り遅れる人々」に対して、冷たく叱責するようなことはしてはならない。

技術の発展の度合いがどうであれ、社会は暖かいサービスを行い、ハードの設備にはソフトな思いやりを持たせ、どんな人々の層に対しても時代の進歩の恩恵を受けることができるようにさせなければならない。

中国語表現法研究  和文中訳

第201回〜第211回


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