第121 122回

高齢者社会が益々身近なものになってきた。このところメディアは高齢者のケアの問題について多くの報道をしているが、筆者に言わせれば、これは一面的な見方にすぎない。別の面を見れば、高齢者はたんに社会からの一方的なケアを必要としているばかりでなく、同時に社会にフィードバック出来るエネルギーも持ち合わせているのです。つまり完全に受動的に「ケア」をしてもらうばかりではなくなってきているのです。

かつて報道されたような「シルバーガイド」の生きざまこそ、筆者が肯定するものです。記事によると、大連の各地の観光スポットでは六十過ぎの高齢者がたくさん活躍しているとのこと。

彼らは同市の観光局が選りすぐって採用した「シルバーガイド」です。高齢者たちは自らの体験を生かして、観光客に古今東西の歴史、民俗伝説、世辞のいわく因縁、風土人情を語り、観光スポットの独特な風物となっている。

こうした「シルバーガイド」は知識のレベルが高く、多くは退職した教師、医者、幹部で、観光に情熱を燃やしているばかりでなく、多芸多才。多くの人たちは歌も踊りも上手で、様々な楽器の演奏も得意です。仕事の研修を受けてガイドになって、大いに歓迎されている。


第123 124回

高峰:自強、飯でも食いに行こうか?

周自強:食欲がないんだ。食べる気がしない。お前一人で行ってこいよ。

高峰:飯も食う気がしないって? ここんとこ元気がないようだけどどうしたんだ?

自強:今度の試験も又ぽしゃっちゃったよ。

高峰:やれやれ、いったい何事かと思えば、たかが中間試験じゃないか。何をくよくよしてるんだ。俺なんかお前より悪いけど、こうして食うものはちゃんと食っているし、遊びだってそこそこやってるぜ。

自強:やんなっちゃうよ全く。親父の言うとおり、俺なんか勉強するような器じゃないんだ。成績は下がる一方。こんな風じゃ大学入試だってお呼びじゃないよ。

高峰:大学入試なんてまだまだ先のことじゃないか。そんな先のことまで考えてどうするんだよ。それに、お前の成績ずっといいじゃないか。お前が駄目なら、俺なんか万事休すだよ。

自強:どうした訳か、おれの頭ときたら、いざという時になると、てんで言うこと聞かないんだよ。

高峰:お前は試験だの成績だのって、気にしすぎだよ。だから、プレッシャーで緊張しているんだよ。俺なんかお前とは正反対。試験の時緊張しようと思っても、緊張出来ないんだなー。

自強:お前のその性格が羨ましいよ。何も気にしないで、おまけに頭がいいときている。

高峰:よせよ!昨日なんかお袋にお先真っ暗なろくでなしと罵られ、先公だっていつも俺のこと小利口だが、怠けものだって言ってるんだぜ。まあ、言いたけりゃ言わせておけばいいんだよ。気にしない。気にしない。

自強:お前にはかなわないよ。俺にはできない。

高峰:お前ときたら、よくいえば真面目、悪く言えば小心翼翼といったところだな。

自強:俺だって、よくないと分かっちゃいるけど、治らないんだよなあー。

第125 126回

ここ数年,陽朔観光にやってくる外国人「バックパッカー」が急増しており、毎年六万人を越えている。殆どが学生,学者或いはアルバイト族で、アメリカ、英国、フランス等の先進国から来たものが多い。陽朔西街は中国と西洋文化の合流点となっており、ここで学べば居ながらにして留学したのも同然で、しばしば中国人が外国語を学び、外国人が中国語を学ぶのに又とない教室とみなされています。陽朔西街が「中国最大の外国語コーナー」呼ばれるのもこのためです。

一人のガイドが妙な事を云った。「お客様が西街を歩いている時、顔じゅうに長年の辛酸を刻みつけた田舎婆さんが、突然生粋のアメリカ英語を話しだしたとしても、決して驚いてはいけませんよ。陽朔県の方言のほか、英語もあの人たちの日常語なのですから」

「郷に入れば、郷に従え」の譬えの通り、陽朔西街の西洋色の濃厚な文化の中にも、しばしば中国の伝統文化の要素が入り混じっている。例えば、外国人がやっているバーでは、多くの外国人オーナーがバーの中に竹の筏やびく、そして毛主席のバッチすら掲げ、テーブルにはろうけつ染めの青と白のテーブルクロスを敷いている。いささか懐古的なムードではあるが、中国趣味で満たされている。

第127 128回

「中国で最も幸せな都市」の選出活動は、新華社の《瞭望東方週刊》と中国市長協会の《中国都市発展報告》作業委員会が共催するもので、国際的に公認された都市幸福指数の評価基準に基づいて、2007年から既に連続三回成功裏に開催されているが、2010年には広州が初めて、中国で最も幸せな都市の仲間入りをした。

広州に住む者として、幸せだと思いますか? ネット仲間の「飛び回る王妃」は広州人は皆教育水準が相対的に高く、求める物もますます多くなってます。そして今では、社会での競争も激しくなってきているので,各人のニーズを満たしているとは限りません。従って、広州人の幸福指数は低いと思います。

今の広州について、ネット仲間のw1947はあまり幸せだとは言えませんとのこと。社会の各方面にはまだまだ改善を続けなければならないことがあります。「周りの人たちは都市建設のきらびやかな面のみに目を奪われてはいけません。広州には足りない点がたくさん残っています」幸福感は自分の心の持ちようで決まるもので、ハードの環境で決まるとは限りません。のんびりした田舎町の暮らしよりも、多様性に富む大都会のほうが幸せです」

ネット仲間の「森林木」は次のように言っている。自分は広州で落ち着いた生活を送っている。出稼ぎコミュニティーでは故郷の味を味わい、露店街では「旦那」扱いされ、ほかの連中と張りあったり見栄を切ることもなく、偉い先生のお説教につき合う必要も有りません。とても幸せです。「交通、医療、教育、住宅等の面でいら立ちは有りますが、これは別に一都市だけの問題では有りません」

第129 130回

以前は香港や台湾のドラマにのみ登場していた「フィリッピン メイド」が今ではいつの間にか大陸の家庭の中に入り込んできています。我が国の現在の政策では「フィリピン メイド」を直接内地の家庭に入れて働かせることは許されていませんが,広州、上海、北京などの多くの都市では、仲介業者を通して「フィリピン メイド」を家庭に雇い入れる者もいて、徐々に「ひそかな流行」になっています。

現在、「フィリピン メイド」を雇うためのコストは、通常安くはなく、しかも内地では「フィリピン メイド」の身分が合法的でないこともあって、「フィリピン メイド」を雇い入れる手続きをかなり煩雑なものにしています。人口大国である我が国は長期的に労働力過剰の状態にあるのに、このような家庭は何故「輸入メイド」に益々好意的になるのだろうか?

「フィリピン メイド」はマナーが良く、仕事ぶりもきびきびしており、仕事の専門性も高く、作る料理が我々の口に合わない点を除けば、その他の面では我々の家事サービスよりも質は確かに高いのです。

第131 132回

高:俺だって変りようがないんだ。ほら、「三つ子の魂百まで」というじゃないか。まったく,先公のやつ何だってあんな奇抜な問題ばかり出すんだろうな。わざと意地悪してるんじゃないのか?

強:先生だって将来俺たちが皆大学にはいれるように、良かれと思ってやってくれてるんだよ。

高:その實、ぶっちゃけた話、自分のためじゃないか? 止めた。よしとこう。くだらん。

強:俺って今、何やっても気が入らないんだ。試験であんな点を取って、クラス全体の足を引っ張っちゃって、クラスメートや先生に合わせる顔がないよ。

高:おまえ男だろう?何だってそれくらいの事でそんなに大騒ぎするんだ?俺が諄々と説いて聞かせてやろうか?

強:もういいよ。諭してなんかくれなくたって。ところで、コンピューターのテストだけど、準備は怠りないんだろう?

高:まーね。楽勝だよ。自慢じゃないが、コンピューターならお手のもんだぜ。この前も張のやつが教えを乞いたいと云うので、ちょっとばかり腕前をご披露申しあげたよ。俺今、毎日ネットで少しの間チャットしているんだけど、面白いもんだぜ。

強:本当のところ、俺ってまだ全くの「コンピューター音痴」なんだ。休みに入ったら、弟子入りしたいんだが、どうかな?

高:いいとも。休みになったら教えてやるよ。あれッ、お腹がグーグーなってきた。「腹が減っては戦は出来ぬ」飯食いに行こう。遅れると閉まっちゃうぞ。

中国語表現法研究  和文中訳

第一二一回〜第一三二回


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