八十五、六回

禁煙:頭の痛い大レストラン、お手上げの小レストラン

「私どもは今、自分の店の状況に応じて喫煙エリアと禁煙エリアを設けているだけです。差し当たり、禁煙エリアに専用の部屋を一部屋用意して、換気扇で煙を排出する予定ですが、この部屋は専ら喫煙用の部屋で、食事は出来ません」。或るレストランのマネジャーは次のように言っています。「禁煙エリアでタバコを吸うお客さんを見ても、私どもに出来ることはご協力をお願いすることだけで、強制的な措置を取ることは出来ません。何といっても、レストランはお金を稼がなければなりませんので、急に禁煙してもらうことは出来ないのです。ただ、規定に沿ってボチボチ改めていくより仕方ありません」と。

比較的規模の大きいこのレストランに比べて、中小のレストランの中には、自身で喫煙エリアを特に開設する能力がないところもある。

或る「成都スナック」チエンストアーの責任者が言うには「私どもの店には全部で十卓のテーブルがありますが、喫煙エリアを設ける場所はありません。まして、私どものところに来て食事をされるお客さんの多くはタバコを吸いますので、全くどうしようもありません。出来ることはただ、検査部門のいうことを聞いて、せいぜい清掃清潔に励み、換気扇をつけ,標語を張るくらいのものです。でも、お客さんがタバコを吸えば、私どもとしてはお手上げなのです」との事。

八十七、八回(オバマ演説

確かに、政府が出来ること、又政府がなすべき事は沢山ありますが、アメリカの立国の大本はアメリカ人の決意と信念にあるのです。堤防が決壊した時、見ず知らずの人を受け入れて世話をする善意、経済不況の時、自分の労働時間を減らしてまでも友人を失業させない無私の心、正にこうしたものこそ我々が苦難の時期を乗り越えるのを支えてくれるのです。消防隊員が煙の渦巻くビルに突入して人命を救う勇気、子供を養う親の愛情、正にこれ等のものこそ我々の運命を決めているのです。

今や、我々には新しい責任の時代が必要なのです。国民の一人一人が、自分自身に対し、国家と世界に対し責任を持つべきことを認識しなければなりません。我々はこうした義務を喜んで引き受けるべきなのです。全身全霊を傾けて自分自身を捧げて困難に立ち向かえば、我々の精神は益々充実され、我々アメリカ人の心意気を誇示できると、私は確信しております。

八十九、九十回(祝福)

旧暦の歳末はやはり一番年の暮れらしい感じがする。村の中は言うまでもなく、空にも新年を迎える情景が現れている。薄灰色のどんよりした夕暮れの雲の間に、ひっきりなしに閃光がパッと走り、続いて鈍い音が響く。かまどの神様を天に送る爆竹だ。近くで打ち上げる方が強烈で、耳をつんざくような轟音が鳴り止まないうちに、空気中にはもう微かな火薬の匂いが立ちこめる。私は正にこの夜、故郷の魯鎮に帰ってきたのだった。故郷とは言っても、もう家はなかったので、魯四旦那のお宅に暫く身を寄せるより外なかった。

まして、昨日祥林嫂出逢ったことを思うと、なおさらここに居続ける気にはならなかった。それは或る午後のことだった。私が村の東外れの友人を訪ねて出て来たとき、川べりで偶然出会ったのである。しかも、彼女の大きく見張った視線から、私に向かって歩いて来るのは明らかだった。私が今回魯鎮で会った人の中で、彼女ほど変わり方がひどい人はなかったといってよいであろう。五年前の白髪混じりの髪は、今は真っ白になってしまって、四十前後の人には見える筈もなかった。

九十一、二回

大物企業家が群雄割拠する日本で、張瑞敏氏は日本人に知られた数少ない中国の企業家である。ハイアールは日本の三洋と提携して、多機能のドラム型洗濯機を生産、既に日本の家電市場で発売している。しかも昨年八月にハイアールは大枚を投じて、「世界一地価が高い区画」と言われる東京銀座四丁目のビルの天辺に大型のネオン広告をつけて、多くの日本人にハイアールの名前を更に知らしめた。中国の家電製品が日本というこの家電王国に参入して来たことで、当地のメディアはこの実録風の映画に一層大きな興味を抱くことになった。二百人近くのメディア人が今日午前、日本記者クラブでひらかれた記者会見に出席した。


張瑞敏氏はハイアールは中国の改革開放と共に成長し、力をつけて来たが、この企業の発展を支えてきた原動力は不撓不屈の企業家精神であると言う。八十年代、中国の企業は日本の技術を大量に導入し、日本企業の管理手法を学んだが、ハイアールが学んだものは日本企業の企業家精神だった。正にこの精神によって、ハイアールは小から大へ、弱から強へと発展し、今日このような白物家電の生産で世界第四位の大型多国籍企業になったのである。彼によれば、映画の撮影については、当初何かと懸念も多く、企業の正常な発展を阻害したり、悪影響を及ぼすのではないかと心配したが、しかしそれは只単にハイアールの映画を撮るか否かによって決まるのではなく、ある種の精神を宣揚出来るかどうかの方がより重要なのだと気づいたとの事である。

九十三、四回

バスは北京市民の普段の足として最も重要な交通手段で、バスの定期も北京の一般市民と共に数十年の歴史を歩んできた。先ごろ、北京市がバスの定期を「カードパス」に換えようとしていると言うニュースが各メディアと市民の間にパッと広まり、定期券廃止の話題が一時北京市各界の関心と話題の焦点となった。

去年の暮から、北京市のバスやタクシーの中には、カード読みとり機が見られるようになった。これが北京市が今強力に推進している北京市交通局の「カードパス」プロジェクトで、又北京が公共交通を優先的に発展させ、IT化公共交通を構築する為の重要な事業内容の一つでもある。

記者が当たったところでは、北京のバス、地下鉄13号線と一部のタクシーに「カードパス」を導入し基礎を固めた上で、市は「カードパス」の利用範囲を次第に広めていって、今後はバス、地下鉄、軽軌鉄道、タクシー、駐車場、観光地、更にはホテルやスーパーマーケットさえも含めた「カードパス」システムを徐々に構築し、カードを持っていれば「一枚で共通に利用できる」ようにする予定である。

バスの定期を「カードパス」に換えることは、北京の公共交通が発展する上で必然の趨勢であり、何時廃止するかは時間の問題である。

九十五、六回

ようこそ埼玉へ!

埼玉にいらっしゃると、きっと大自然が贈ってくれた夢の世界のような四季折々の景色を堪能できます――うららかな春、冷風が顔をなでる夏、全山紅葉の秋、そして白銀の冬。この美しい自然の景色は季節の移り変わりを知らせてくれるだけでなく、様々な文化をもたらしてくれます。季節毎の伝統的なお祭り、伝統芸能と芸術、代々伝わってきた食文化などを通じて、埼玉の風土や風習を知ることが出来ます。

菓子屋横丁で明治時代の気分を味わおう!

菓子屋横丁では、見た目も様々なハッカ飴、あんこ玉、それに日本風味の煎餅が店先を賑わしており、川越にいらっしゃる観光客はみな菓子屋横丁をぶらついて味わってみるのです。こうした菓子類は「駄菓子」と呼ばれ、江戸時代から日本人はおやつにしてきました。日本人は菓子屋が集まっている街を菓子屋横丁と呼びますが、川越では沢山の店が今でも伝統的なやり方でお菓子を作っています。こうしたお菓子が街にあふれんばかりのお客さんを引きつけているのです。観光客は狭い菓子屋横丁を歩きながら、古きよき時代の気分に浸れるばかりか、伝統の菓子を存分に味わうことが出来ます。