(観劇記)

これは思いっきりネタをばらして書いてます、すみません。
今回ありがたい事にこの公演を数回観せていただく機会に恵まれ
堪能させてもらいました。
今回のこの舞台・・・主人公は二階堂ですけれど、レシクールやポチ、
八神にディアナ・・・登場人物、皆がそれぞれに魅力的で
2時間があっという間に過ぎていき、これほど笑った楽しい舞台は久しぶりでした。
何故か大阪弁のポチ、犬のくせにニヒルで「コロ兄さんがいてくれたら・・・」
のポチの言葉に必ず不協和音のギターの音色と共に現れるコロ、
カタリナ様はお姿を遠方より投射してるにも拘らずポチに腕を掴まれ、
慌てて払いのけポチを睨みつけたり、山田九郎(カズロウさん)が雪駄で晴彦を
スパーンッと叩くシーンは観ていたこっちまでスカッ!!としました。
そして夫の九郎(カズロウ)のピンチを助ける為に現れ、夫への熱い想いを
切々と語り、急に始る雪女「山田美雪」のオンステージ・・・。
唯一クールな役だと思っていたレシクールも、あぁ・・やはり
(昔懐かしいギャグ3連発)
もうお約束のように笑いのツボがそこかしこに満載で、
書ききれないのが悔しいくらいです。
しかし忘れてはいけない・・・いや、忘れられないのは大輔さんでしたね。
最初座ってブルースハープを奏でながらの登場だから、
「今回は二階堂って主人公だからかっこ良い役なんだなぁ〜」と思ってると、
携帯電話で上司に怒鳴られてペコペコ頭下げてるし、八神には財布をスラれ
(でも、ぶっといゴムバンドで繋がっててセーフ!)人を助けに入ると
いとも簡単にあっさりやられるし。
私は「大輔さんごめんなさい・・・むっちゃ面白いです〜ウッヒャヒャヒャ」
って笑いながら二階堂を観ていました。
それにスーパーサンタスーツでリモートコントロールされているとは言え
すまなさそうな表情や言葉とは裏腹に晴彦を殴り倒す二階堂・・・
あれはまさに爆笑でした。
しかし本当に忘れられないのは大輔さんの・・・・です。
あれにはビックリしましたぁ。
あの・・・あの大輔さんが事もあろうに・・・コ・・・コマネチおぉぉーー!!
(それも連発で!)
我が目を疑ってしまいました。
今これを書いてる最中も思い出してしまって笑いが・・・
本当に何回見ても面白い舞台でした。

だけど、この舞台は面白いだけじゃなく・・・少し切ない気持ちにもさせられまし
た。
レシクールの「俺はクリスマスが嫌いだ!」あの台詞は胸にズンッ!ときました。
誰でも喜びウキウキするはずのクリスマスに大切な何かを失った者の嘆き・・・悪に
も悪になってしまった理由があって・・・、たとえ人々にとって悪だとしてもその者
にはその者の信じる正義があり、それぞれの信じる正義の元で行動していて、
でも正義の名の下では何をしても良いか?と言えばそうではなくて・・・・
正義の定義って何でしょう。

そして二階堂の台詞にも胸を打たれるものがありました
「みんなの笑顔がみたくて・・・〜・・・でも何も出来なくて・・・」
観客の何人が自分と重ね合わせたでしょうか・・・大好きな人達がいて、
その人達の笑顔が見ていたくて・・・でも自分には何もなくて何も出来なくて、
もどかしさを抱えてる自分が二階堂の中にいる・・・、と。
「正義の定義は、みんなの笑顔、これかも知れない」なんて難しい事も考えてみた
り。
笑いありアクションあり、そして心にジーンとくる、どこか温かい余韻を残してくれ
た素敵な舞台でした。

余談ではありますが、舞台の途中で観客に可愛いお菓子のプレゼントがありました。
私はそれを大事に家に持って帰り、子供達に「サンタさん達からもらってきたよ」
って言ってあげました。
我が家の子供達はサンタクロースを信じてますので、とても嬉しそうでした。
(私の味わった感動を子供達にも少しでも分けてあげたくて)
だから我が家の子供達にも今年はサンタさんがいっぱいいた事になりますね。

本当に登場人物一人一人に個性があって、動もすれば霞みそうな二階堂
(普通の・・・というより かなり頼りないサラリーマンだから・・・)
でもそこはやはり主人公なんですよね。
二階堂は喧嘩が弱い(半端じゃなく限りなく弱っちぃ・・・)
でも心は強い男の人だったと思います。
子供の頃のサンタクロースからのプレゼントと夢を大切に持ち続け、人のピンチに飛
び込んでいく(やられるのに・・・(-_-;) 夢の為に努力を惜しまず諦めない。
そして人にとって何が大事なのかをちゃんと知っていて、人の可能性を信じている。
そんな二階堂を演じる大輔さんもやはり素晴らしい役者さんでした・・・流れ落ちる
汗が物語っていたように思います。
(本当に水を被ったように流れる汗の量に心底驚かされました)
二階堂の一生懸命さと大輔さんの芝居に対する真摯な姿が重なって、
とても素敵な主人公だったと思いました。
本当にいろんな舞台やTVに出演される度に違う姿を観せてくれる大輔さん。
これからもどんな姿で、どんな人の人生を演じてくれるのか、とても楽しみです。

小さな舞台での公演ではありましたがそれならでわの臨場感で、やはり舞台は生で観
るのが良いなぁ〜って思いました。
テンポや間の悪い日、出演された方々の台詞がつまったり忘れていた日、楽日には音
ミスがあった様にも思います。
(すみません、素人が口幅ったい事を書いてますが)
でも、それも舞台ならではの味なんでしょうね。
小道具の帽子がきっかけより早く落ちてきた時も、皆さん見えないふりをしてました
し ・・・(でもどこか苦笑い)
それに皆さん千秋楽では科白を変えたり、アドリブ入れたりと本当に違う面白さを見
せてくれて楽しかったです。
本当に楽しいひと時を過ごせました。