チフリン・チマヴイ歌劇団『ナルシス』観劇記

お待たせしました。ようやく観劇記かけました。ちょっと大輔さんを多く取り上げた感想なので
チフリン全体を楽しむには、やっぱり今度は是非会場でチフリン・チマヴイ歌劇団の舞台をご覧に
なることをお勧めいたします。蘇る笑いに、キーボードを打つ指が震えてなかなか仕事が捗らなか
った(爆)。恐るべきチフリン・チマヴイ・パワー!   yuyu

作・演出  福本ひとし

オリンポスの神々
・ゼウス(渡辺勝巳) ・アトラス(小林滋) ・アポロン(小堤直行)
  ・アプロディテ(近藤ミキヲ)(吉本美月)
アルゴー軍団
  ・アルテミス(伊藤眞奈美) ・ヘラクレ(赤垣正樹) ・ポセイ(松下卓也)
  ・アンドロメダ(今村和代) ・メドューサ(庄司幸恵)
ほんじゃまか戦士
・ピンク(久我千代)ミラーボール戦隊
ミラーボール戦隊
   ・オルフェ(土屋大輔) ・オリオン(正田大介) ・トリトン(不動卓志)
アマゾネス
・ヒッポルテ(西音羽) ・アタランテ(茂木優) ・アリアドネ(松下聖治)
賞金稼ぎ
・満月(高田周一) ・むち(藤田祥)
 ヘラクレ家
・ペネロペ(竹田原亜紀) ・エウマイオ(中島秀敏)
 ペネロペの求婚者
    ・アントニオ(小向匠) ・ケンタウロ(森下貴司) ・スピカ(江口秀子)
 ディオニュソスの信女
    ・尾嵜聡美 ・菊入美和子 ・岸美予子


チフリン・チマヴイ歌劇団の舞台が大好きな人の事を、ちまたでは『チフラー』と呼ぶそうだ。
もしかしたら私は、既に、「チフラー見習い」・・・そんな感じがしてきた。だって・・・
『ッチッチッチ チフリン♪ ッチッチッチ チマヴイ♪♪カカカ カカカ 歌劇団〜♪』
うっ!ヤバイ!洗脳されかけている!このままでは、私はチフラーと化してしまう!
脳から螺旋を描いて体中に!振り付けまで覚えようとしている自分が居たりする(爆)
芸術劇場小ホール2では、熱気溢れる舞台に、観客達の腹筋直撃の笑いが巻き起こる。
板の上のRPGと誰かが言っていたのだけど、正にその通り!
「そんなキャラあり?」の敵や味方が入り乱れ、波乱万丈痛快コメディー冒険記『ナルシス』。
芝居?ミュージカル?歌劇?コント?何なのだよぉ!って、ハマると病み付きになりそうで怖い。

会場に入って驚いたのがセットだった!こんな大胆な板、初めて!
「凄い!でも?おいおい!客席こんなに潰して(爆)大丈夫なのか?」が、しか〜し!
属に言うそのエプロンステージは、チフリンらしいっていうかゴージャスな気分を味わえる。
(すみません、千秋楽は洒落では済みませんでした。チフラー予備軍多すぎる!)
特徴あるステージを巧みに利用した板付きで舞台がはじまる。
何やら怪しげな目をしている人達(神々?)に、ぎょっ!とした。
「おチャラけるのか?」と思い気や、皆さん発声がきちんとしてらっしゃる!

舞台、そこは美しい神々が暮らすという山「オリンポス」。エーゲ海を見下ろすその気高き山。
全能の神ゼウス。天空をつかさどるアトラス。理性輝くアポロン。気高きオリンポスに住む、
ひときわプライドの高い、美しい男の神々を「ナルシス」と呼ぶそうだ。
「ナルシス」になるには「ス」の称号、すなわち名前の最後に「ス」を付けねばならない。
単数でありながら複数であるという「ス」をつける事によってその価値が認められるからだ。
ただ、アポロンには「ス」が無い。アポロンは「ス」の称号を受けたくないのだ。なぜならば、
「アポロンス」・・・かっこ悪い!からだそうだ。(なるほど!納得してしまった私(爆))
そこで大神ゼウスが提案した。「クレタの獅子」を人間が倒すかどうか賭けをしよう!
人間が倒せたら「ス」の称号を受けなくてもよい。もし無理であればお前の負けとし
「ス」を受けろ。ということになった。
(メイクの似合う男前のアポロンはオジャル喋り、麻呂のオジャル語講座を受けたくなった。
その〜あの〜、ゼウス様(爆)は、風情が神?あ、ごめんなさい。そのVシネ・ヤクザもの
常連俳優のような風貌にピンクのお髭があまりにミスマッチで印象に残る。
ツッコミ上手のアトラス。関西弁を話すのは劇中、アトラスだけなのに芝居に馴染んでいて、
私の耳にはとても心地よかった。とにかくココで一番面白かったのがエコーのマイクが登場
したことだった。度肝を抜く演出ですな)

しかしながらこの博打のようなゲーム、獰猛な獅子と弱き人間を戦わせるには不公平だという
アポロンの意見で、アルテミスがクレタへの旅に同行する神として選ばれることになった。
アルテミスはアポロンの妹!手には黄金の弓、背には白金の矢、心に備長炭(笑)を燃やす
勇敢でステキな月光の女神だ。
(元宝ジェンヌらしい?凛として、彼女の登場で舞台も締まった気がした。バレーシューズ
の中にまさか、明太子?というアドリブには度肝を抜かれましたが・・・ははぁ〜!)
そして、その獅子を倒すためにクレタに行くという人間に、勇者「ヘラクレ」が選ばれた。

舞台から、テンポの良い音が流れ始めた♪
(え!?凄い!!ダンスが始まるのだわ!わ〜!たくさん出てきた!振り付け、サスガに
良い感じに仕上がっていました!きゃぁ〜、大輔さん発見!すごすぎる〜!
「爽やかな笑顔」が売りの大輔さんなのに(爆)、悪っぽい風貌している!私の好みのタイプ
『ワイルドでワル』だわ!黒いニットキャップを目深にかぶり、黒いサングラスは似合いすぎ!
締まった体にピッタリした白いランニング、ちょっとマッチョになった左ウデに黒いタットゥー!
白いパンツの腰に白いシャツを巻きつけている。ニヤリともせずクールな表情!
あんな大輔さん、初めて観ました!!うっとり〜ポカァ〜ンと、口あけて見てしまいました。
かなりヤラレましたね、私(汗)。個人的には2日土曜日ソワレの大輔さんのHIPHOPが
キレがあってステキだった!大輔さん大きいから目立つけど上手いから見ている方も気持ちいい!)

ダンスが終わり、お話の続き・・・。
桃太郎のように、その旅には御供があった。まず、九州男児のポセイどん。そしてアンドロメダ。
(ポセイは強烈だった。客を掴みまくるというか、飲み込むという勢いがあったでごあす(笑)。)
かくしてヘラクレ、アルテミス、ポセイ、そして知らぬ間に乗り込んでいたアンドロメダ、
アンドロメダはポセイに恋をしていました!でも、ポセイはオゴジョ嫌いなのですよね(笑)
ヘラクレは15歳も年下の女を騙した新婚、見るからに弱そうで、臆病で、携帯電話で天気
予報を聞いて落ち着く変わり者。(この人すごいよ!歌もダンスもアクションも上手なオジサマ)
(そんなヘラクレをポセイが見つめる時のあの目、キュ〜ン♪の効果音がたまらなかった!)
こうして彼らはアルゴー軍団と名乗りをあげて、獅子がすむクレタ島への旅へ!
エーゲ海を渡るアルゴー丸の航海が始まった・・・

・・・と、そこへ現れたのが、最初の敵キャラ!
問われて名乗るもおこがましいが、知らざぁ言って聞かせやしょう!の、「ミラーボール戦隊」
その名もトリトンオリオンオルフェの三兄弟!長男オルフェは我らが大輔さん!美しい!
(「カシャッ」きゃぁ〜ミラーボールが・・・いやぁん・・・みたいな!ミラーボールが回ると
三人もセクシーに踊ってくれた(アハハ・・・)。
大輔さんのメイクも初日からイメージチェンジされ、パープルのアイシャドーがグリーンに
変わっていました。グリーンの方が似合うのですよね〜♪まあ、この三人を送ったのも、
オリンポスでゲームをしている神々なのですがね!ゲームでいう攻撃アイテムですな。)
「クレタの獅子は俺達が倒す!」ということで、これからの航海を邪魔する奴ら!
(「がんばれ〜・・・」、って、ミラーボール戦隊を応援している私だったりする(爆)
「神様ありがとう。こんな貴重なキャラを与えてくれて」 by 大輔ファン一同!)
団結できないアルゴー軍団、前途多難の航海中・・・

ヘラクレの家では、夫の単身赴任でペネロペはエルマーニョと共に夫の帰りを待っている。
ヘラクレの誓いはどんな事があろうとも夫ヘラクレを待つという。その誓いを聞き入れたのは
美しき女神アプロディテ。(美女アポロディテのシルエットが美しすぎただけに、あのキャラが
登場した時には失神寸前。まんまと裏切られたという感じでアプロディテはお笑いキャラだった。
「ねっ」「なっ」を言葉尻につける喋り方が最高に面白い、小太りのオカマ?!)
その家にペネロペの求婚者たちが現れる。日系メキシコ人のアントニオと人馬一体のケンタウロ、
おとめ座ベレー帽の騎士のスピカ。ヘラクレの家ではペネロペの再婚相手になろうと、
これからの長期にわたり、三人の求婚争いが勃発することになってしまった。

一方、再びエーゲ海、アルゴー丸を追い越した若者三人、ミラーボール戦隊!!
小さな島で危うい彼ら!だって、新キャラ登場!!すんごい強い〜!
ヒッポルテ、アリアドネ、アテランテ、「レディーファイター・アマゾネス!!!」
攻撃の邪魔になる右の乳房を切り落とし、左の方は子育てに肥大さす。行きずりの男を捕まえて
子種にしちゃう!?生まれた子供が女なら育てるが、男なら刺し殺すという恐ろしい三人姉妹!
ミラーボール戦隊大ピンチ。わ〜っ!捕まって食われるよぉ!子種に取られる(泣)
(伊賀と甲賀の良いとこ取りの伊甲賀流、凄いのね。いや〜出たBFのテーマ曲!戦いだぁ〜!
大輔さんの「トゥッ!」っていうので始まる!アクション健在!私は特撮大輔さんを目の前で
見たことなかったから、すごく新鮮だった(涙)。大人数の殺陣は迫力ですな!
大輔さんのバック転まで見る事ができたし、とにかくすごかった!)最終的には、この恐ろしい
アマゾネスたちに負けちゃうのですがね・・・と思っていたら!そこへお母ちゃんが!
ホンジャマカ戦士ピンク!(石塚ちゃんに似すぎで開場爆笑)。強いのか弱いのか・・・?
ミラーボール戦隊の母ちゃんの家族団欒攻撃(笑)!睡眠薬事件が無理やりで面白い。
みんなが眠ってしまったところに、新キャラがまたまた登場!
アトラスの考えたアイテム、満月とその内縁の妻むち。弱すぎ〜〜〜!(笑)
普通の女アンドロメダに姿を変えた怪盗キャッチアイを捕まえようとしている
賞金稼ぎ狙いの二人!(むち肌侍の満月とその内縁の妻むち。芝居の中では溶け込むに
困難な役で大変だと思った。この二人で面白かったのは、「キムラヤ!の後、黙ってお辞儀した
ところと、やはりアンドロメダのカードが、おデコに刺さったとき!
「おそかったな・・・俺達の方が!」爆笑だった。間がよすぎ!!)

(もうそろそろ頭の中が整理つかなくなってきた〜!)ここにいでしはまたまた新人!
その女の顔を見れば誰でも心が石になり、腹を立ててしまう。生きた蛇を髪に飾ると言う
醜い姿のメデューサ。愛と美の女神でさえ、その心を石にしてしまう。約一名は違うところが
石になっていたようでしたな(爆)
だけど、そんなメデューサをアプロディテは救おうとする。メデューサは醜いがゆえ、
いじめられる。しかし、それこそがお前に今、与えられている試練だということを諭し、
アルテミスに、メデューサを旅に同行させてやって欲しいと相談する。アルテミスも
メドューサには手を焼かされるが、醜いがゆえ愛されない者を仲間にすることにした。
(ここでアンドロメダがつぶやいた一言が心に残っている。そして私も考えてみようと思った。
「メデューサが何故醜く生まれたのか?何故人の心を石に変えてしまうのか、それにはきっと
何か意味があると思う。その意味を知りたいから、メドューサの乗船に賛成する」という事)

アプロディテと別れ、メドューサが加わり、ナルシスのテーマソングが流れ、全員出てくる!
もちろん、我らが大輔さんも居たのだけれど・・・どっひゃぁ〜!見ていいの???
こんな大輔さんが観られるなんて!いや、見てしまうなんて・・・本当にいいの?
ん?何?黒いトレンチ(夜道であのカッコだと完璧に痴漢です(爆))?頭は、ドレッドヘアー、
かなり弾けたその姿に、客席の私は初日、悲鳴をあげてしまった。やかましくてすみません。

ヘラクレの家、エピソード2! 6年後・・・相変わらずの求婚争いが続いていた。
(争い事の声がよく揃っていた。あの・・・キャベツカローラ?私も知りたい・・・)
一方、アマゾネス軍団に捕らえられていたミラーボール戦隊(どうなってしまったの?!)
あらら!いつの間にか仲良しになっているのも居れば、なかなかっていうのもいて!
それぞれの恋の形。ウケまくり!だって三男、次男、長男・・・段階踏んで凄い事になる。
オルフェ@大輔さん大ピンチ!(すみません、笑いで思うように指が動きません(爆))
「むしろ恋は納得できないことの方が多いbyオルフェ」(この「バーイ、オルフェ!」
という響きが良いのだ!なるほどぉ!聞き入ってしまった(笑))
ここでの6人のやりとりは爆笑!トリトン・オリオン・オルフェ達は言ってしまう。
「はっきり言って俺はこれまで凄くもてた。そして俺の周りはいつも女の子だらけだった。
そして俺は女好きだった。友達は皆尋ねる。女だったら誰でもいいのか?俺は答える。
誰でもいいんだ。」(この美形三人が言うとマジで受け止めてしまって、腹立たしく思う
観客も出ただろうな、と心配してしまった。ムカツク・・・けど、それが狙いなのだな)
トリトンの相手、ヒッポリコテはカワイイ女性が役をしているので、それなりに、トリトンも
「誰でも言い訳じゃない君だから・・・」って感じで、いい雰囲気になっている!オリオンの
相手はアタランテ・筋肉隆々の怖いオカマ?「女だったら誰でもいいから君でもいい」
すみませんがオリオンさん、私、腹筋傷めたよ(爆)。
オルフェの相手役はアリアドネ・普通のオカマ?「女だったら誰でもいい訳じゃないから
おまえだけは勘弁してくれ」で、オルフェはどうしてもアリアドネの愛を受け入れることが出来ない。
アリアドネがめちゃめちゃな文法を使うのに、オルフェが文法の間違いを指摘する。そのとき
アリアドネが「恋に文法はいらないわ」と諭す。その瞬間、オルフェが本当の恋に気付く???
恋に文法はいらないという一言は、英語のグラマーさえなければバイリンガルになれて居たと言い
きるオルフェの胸を高鳴らせさえした「ズッキーン!」!それこそが本当の恋だそうだ(爆)
なんじゃそりゃ?なんだけど、そのリアクションが、少年系の漫画、劇画タッチの芝居で!
驚きの表現が、「ズッキ〜ン!」や「ガ〜ン!」。(大輔さんに目の前で「ガーン」と顎を外された時は
失神しかけた。(爆×100))&笑いこらえた酸欠で死ぬかと思った。もしかしたら二度と見る事の
出来ない、あんな大輔さんを皆さんに見せたかった。)

この後にキャスト板付きのまま、ギターの美しい音色で、バラードが始まる。
この歌、実は初日には、ごめんなさい、ひきました。二回目の観劇で考えて、三度目にようやく
この歌にもちゃんとテーマに繋がる意味があるのかも・・・と思った。
私なりの取りかたなのだけど、○○とりのオジさん、要するにこの話の中のメドューサに
繋がるものがあるのかも知れない。嫌いじゃないけど、嫌いな振りをしてしまう。メドューサは
醜くいがゆえ人の心を石に変える、が、しかし、彼女は最後には皆の役に立ち愛される。
そういえば子供のころ「きゃぁ〜」なんて逃げた自分が、大人になった今、どこかであの歌を
不思議と笑わないで聴いてしまうのかも・・・。
キャストは劇中でサラリとやってのけてしまう。深くは考えなくて良いような位置に置いた挿入歌
なのだが、ちょっとだけ考えてごらんよ・・・というメッセージみたいだった。
ストレートすぎる歌詞に、客の私はどう反応すればいいのやら、うろたえてしまった(爆)。
あの歌は最後、アンドロメダの告白の時、すごく生かされてくるのだけど・・・観た人だけの
楽しみという事で、これ以上はノーコメント!

また出た〜!ミラーボール戦隊。邪魔するむちと満月!げ〜っ!オルフェがバッサリ&アッサリ
切捨てちゃう!(まあ、あの格好ではこれからの殺陣アクションは無理だからいいか(爆))
アルゴー軍団VSミラーボール戦隊 いきなり体育会系のノリで、色々な技が飛び交うのよね。
私は個人的には「ゴージャス・ボンバー」がいい!アレにはやられてみたい気がした。たぶん
イチコロだろうなぁ。ピンクが出てきて、美しいお姉さんたちの華麗なバレーダンスも勝てなくて、
アマゾネス達がやってきた〜!アマゾネスを勝たせたと見せかけたアルゴー軍団だったけど、
実は負けた振りをしただけ!みたいな・・・

丸7年。アルゴー丸はようやくクレタの島にたどりついた。
宝石泥棒怪盗キャッチアイ(アポロンからの信託でクレタ島へ行け、そこでお前は醜き宝石を
見つけるだろうということでアンドロメダはこの船に乗り込んだことを告げた。)は、ポセイへ
の愛の告白をした。そしてポセイは自分がナルチストなホモでマゾだという事を告白し、
アンドロメダの愛を受け止めてやれないが、友情を感じていることを伝えた。
小さな頃から苛められて過ごし、ようやく仲間として認められたメデューサはみんなに感謝をした。
「ありがとうございました」と。でも、ポセイはメデューサを叱った。「お前は今も、これからも
自分達と一緒に居て、世話をしたりされたり、迷惑かけたりかけられたり、感謝したりされたり
してゆくのだから、・・・ましたではなく、ありがとうございますだ」と。(泣かせるね〜!)

クレタに上陸した。神ゼウスは言った。「獅子に食われて死ぬよりも、光輝き燃え尽きるゼウスの雷
を受けてその栄光に燃えつきるが良い」しかし、この勇者達にはその雷も効かない。
どんな大きな雷さえも!!・・・美しい戦慄の歌がはじまる。「つなげ命」きゃぁ〜ステキな歌!
『人をつないで風になれ、風をつないで歌になれ、歌をつないで夢になれ、夢をつないで人になれ。』
私はこの歌が大好きだ!

ここで入り乱れるのはゼウスとアポロンが送り込んだキャラたち。ミラーボール戦隊・アマゾネス・
満月とむち。獅子退治の前の対戦。そんな時、現れたのが、そう、クレタの獅子だった。
トリトンが最初に飛び込んだ。獅子の前に立ちはだかり、獅子に喰われるトリトン。
彼はヒッポリュテに言った。「俺は今、美しいか?」でも・・・「俺よりもお前の方がもっと美しい」。
そして、オリオンが飛び込んだ。獅子に喰われるオリオン。彼はアタランテに言い残した。
「俺は今、美しいか」でも・・・「俺よりも・・・お前の方が・・・」そのまま死ぬ(爆)。
そして、オルフェが飛び込んだ。獅子に喰われるオルフェ。彼はアリアドネに言い残した。
「俺は今、美しいか」・・・でも「俺よりもお前の方が・・・お前の方が、うつく、るしい」
(爆)ここで力尽きたと思ったら、また起き上がり、言った「お前・・暑苦しい!」(爆死)
そして、ピンクも死んだ。アルテミスが白金の矢を放った。白金の矢は獅子には利かない。
アルゴー軍団総出でも、歯が立たない。アンドロメダが倒れていたところに駆け寄るポセイ。
そこに獅子は容赦なくポセイを喰う。ポセイが倒れた。力を落とすその前に、美の女神
アプロディテが美しい姿で現れた。愛と美の女神アプロディテの娘。それはメデューサ。
メヂューサの試練の時が満ちた。アプロディテの教えで、メドューサはその自分の全てを
石に変えた。獅子の牙もその石には勝つ事ができない。メドューサの身体の内側から光が
溢れ出している。ポセイ、倒れたままのアンドロメダに話かける。『みんしゃい、これが
おはんの求めていた醜き宝石だ。』そのままポセイは死に絶えた。アンドロメダは既に
死んでいたのだ(ちょっと涙がでてしまった、私。ステキなお話なのだから)
その醜き、いや、美しき宝石となったメドューサの前にヘラクレの一刺しで獅子は倒れた。

10年たった。ヘラクレの家では、まだ飽きずに再婚合戦が繰り広げられていた。
そんな時、ヘラクレは家に戻った。獅子の頭を持って。
アポロンは勝った。アポロンが使わなくなった「ス」の称号を受ける事になったヘラクレ。
ヘラクレはヘラクレスとなった。ペネロペとエルマーニョと共にオリンポスに住む事を
許された。晴れて標高15000メートルのオリンポスにたどり着いたヘラクレは
なんと、死に別れてしまったポセイやアンドロメダとそこで再会することができた。
ぎゃっ!ミラーボール戦隊も居る。仲むつまじいヒッポルテとトリトン。子供を抱いた
アタランテとオリオン(爆)。オルフェの妻、アリアドネのお腹にはオルフェ(大輔さん)
の子供が(激爆)!とにかくそこはリゾート地。みなさんアロハ姿がお似合いで(笑)、
大輔さんは真っ赤なアロハの上下。下は勿論短く赤い半ズボン(キャー!)。
美しきオリンポス!みんなで記念写真を撮りまして・・・めでたく、おしまい!

フィナーレはチフリン・チマヴイ歌劇団の歌をキャスト全員で歌って、踊って!!
観ている私達もとても楽しい舞台でした。大輔ファンとしては貴重な体験でしたね。
初日を観たときは、ただ娯楽性を追及した作品かしらと、考えてしまうところが
ありました。それだけ、面白い演出やギャグやダジャレが多かったのです。
しかしながら、よく考えると、この本を書いた人の賢さが伺える内容でもありました。
神、星、愛、友情、勇気、希望、誇り、誓い・・・そして反対に、醜さ、弱さ、失恋、孤独、
寂しさ、ナルシズム・・・他にも多くのものがこの笑いの奥底に隠されていた。
「醜いけれど美しい。外見で判断してはいけないというシグナル。」
「愛の形は色々であって、好きだという事は、愛情ではなくてもそれが友情という形で
ある事も美しいという事。」「人間どこかにナルシスト的な面を持っているのかもしれない
という事。」思い出せば書ききれないほど、作者はこの中で我々の生活の中で見え隠れ
する、人の心理もつきたかったのではないか、と思いました。よくある題材をここまで
壮大におもしろおかしく見せてくれたのは、私にとって決して退屈しない観劇の思い出
となりました。私はミュージカル好きということもあって、ダンスや歌があったことも
嬉しかったです。久しぶりに大声で腹筋を傷めるほど笑いました。ありがとう!

尚、この観劇記は、YUYUの独断かつ偏見あり〜の記録です。もしかしたら脚本家様の
意とはんする部分もあるかも知れませんが、私の感想文ということでお許し下さい。
長いのを読んでくれてありがとう・・・
yuyu 著