大輔さん演じたアマルは、友情に厚く、正義感が強く、祖国を愛する青年。
強い信念、葛藤、迷い、優しさ、、細やかに目の表情が変わっていくのが
見て取れ、心優しい純粋な青年を真っ直ぐに演じていて見応えがあった。
「おまえ達の歴史は守る価値のある歴史なのか?」アマルの絶叫が胸をつく。
地球上で絶えることのない戦火、癒えていかないその傷跡、破壊の続く環境。
それでも私達は今ここに生きている。どんな歴史の上に成り立っていたとしても、
私の大切な人達が存在するこの歴史は、私にとって守る価値があるのだと思う。
ナオミとアキラのやり取りにこんなのがあった。
「時空船は過去へしか行けないけれど、人間は未来へ行ける。なぜだか分かる?」
「・・・そうか、誰にでも明日は来るってことですね。」
希望に満ちた力ある言葉。現実はそんな簡単じゃなくて、その明日すら危うい人達が
地球上には大勢いるのだろう。でも、想いの強さというのは必ず未来を紡いでいくのでは
ないだろうか?少しづつでも、今はその変化が見えなくても、何世紀先、
アマルのようなせつない絶叫を聞かずにすむような現実があるかもしれない。
重いテーマが散らばってる、といろいろ考えたけれど
純粋に突き詰めていったら、本当に単純に、'思いやり'なのかなと思った。
他人に対するホンノ少しの思いやり、個人も組織も国も・・・
それが世界が破滅的に歪んでしまうのを押とどめる、そう信じたい。
地球が'平等に和する'日なんて来るのかと悲観しつつも、この時代が歴史の一つに
なった頃、この'今'という時間が、そこに存在するものが大切な世界であって欲しい。
少年アマル達が夢見たような優しい世界が未来にあって欲しい。